J-AUTOMercedes-Benz and AMG
スペシャリスト ディーラー

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注目!お客様からのインプレッション!有難うございます!

2009年06月26日

以下お客様からのコメントそのまま掲載させて頂きます。
 鋭く的確なインプレッションは読み応えあります!



 この500
E(93年型)に乗り始めてから約1年になります。購入のきっかけは単に「ひと目惚れ」です。500Eの崇拝者でもなく、今でもことさら500Eに詳しいわけでもありません。これを買うまで、むしろこのクルマとは性格が全く逆のクルマを趣味として所有していたくらいです。

 それでも「さぞかしトルクが太くて豪快な加速が味わえる直線番長に違いない。」というイメージは勝手に出来上がっていましたし、それを期待していました。ですので、思ったほど豪快ではない加速には正直なところ少々落胆しました。しかし、その落胆を補って余りあるほど感動したのがハンドリングの素晴らしさです。路面のざらつきさえ手に取るように分かるダイレクトなフィール、スローとはいえ正確無比なステアリングは、特に高速を飛ばす時に絶大なる安心感になります。奇妙なことに、個人的には10年以上前に10万キロ乗った930型カレラの感触に酷似しているとさえ思います。

 

ということで、この「重い」エンジンをもう少し元気にできないか、このハンドリングの良さを更に高めることはできないか、と思い、今回作業をお願いした次第です。作業後、1500キロほど走りましたので、稚拙ながら個人的な感想を述べさせて頂きます。

 

1)足回り

 

今回お願いしたのはリアスプリングの交換と前後サスペンションのセッティング、キャンバーアームによるキャンバー角度の適正化です。また、フロントブレーキにはブレンボの6ポット、ホイールはオリジナルのSLAを装着して貰いました。

 結果は全く狙い通りです。特に高速道路上でのコーナリングの安定性は劇的によくなりました。不思議なことにこれだけトレッドが広がったにかかわらず、直進性も全く損なわれていませんし、轍に対して神経質になることも皆無です。これまではトラクションコントロール介入でどうしようもなかった場面(ちょっとした峠のタイトコーナーなど)でさえ、踏ん張りが利くようになりタイヤのグリップが良くなったせいか、かなり思い通りに楽しく走れるようになりました。

一方で、タイヤが太くなって面圧が下がったためか、またはPゼロというタイヤの性格のためか、ウエット路面ではこれまでより頼りない感触が拭えません。また、これもタイヤサイズの選択で改善されることですが、メーター誤差が1%ほど甘い方向に過大になりました(実測100キロに対して101キロ)。

欲を言えば、オフセット量はこのまま、フロント用に8.5〜9.0Jが選択できれば完璧かも、と感じます。このサイズであれば235幅のタイヤでもホイールによる「引っ張り」が抑えられると思いますし、直進性はこのまま、ハンドリングがさらに軽快になる気がします。実用的にも10mm少々ホイールが内側に入ることで、縁石などでホイールリップを不意に摺ってしまうようなことも減ると思います。

 ブレーキに関しても全く言うことなしです。500キロほどナラシを行った上で夜中の高速で色々試してみましたが、一気に踏めばまさに「逆カタパルト」体験ができる上、左足ブレーキでスピードを微妙に殺すようなコントロールもより正確にできるようになりました。ブレーキがコントローラブルになるだけで、あたかもクルマが軽くなったような、自分の運転が上手になったような錯覚がするのが不思議です。今のところリアはノーマルですが、フロントの方により荷重がかかる車高になったのか、特にバランスが悪い感じはありません。

唯一の問題は「フロントのあのカッコよさに見惚れたあとでリアを覗くとなんだか淋しい」ということです。これ以上の効きを求めるわけではないし、できればむしろ今のバランスを崩したくありません。単に「カッコよくなる」方法はないものか、と日々考えております(笑)。…なんだかんだ言いながら、「カッコいいこと」はものすごく大事です!

 

2)エンジン

 

エンジンに関してはエアフィルター、コンピューター、フロントパイプを変更しました。ノーマルだと「思ったほど加速が豪快ではない」と感じておりましたが、正確に言えば実用上十分に速いことは間違いありません。ただ、エンジンがかなりジェントルに躾けられている一方でクルマの高速安定性は卓越したレベルにあるため、スピードや加速を体感しにくいということです。逆に言えば「気付かないうちに相当なスピードで走っている」ということですし、このクルマが本来目指すべき方向性を考えれば、むしろ意図的にそう味付けされていると考えるほうが自然です。

ですので、このクルマの最大の問題は高速でのハンドリングが硬派なスポーツカーそのもので運転が楽しすぎることです。その結果、相対的にエンジンがあまりにも脇役に徹しすぎていてつまらないと感じてしまうのだと思います。私の場合、実際の速さも馬力もノーマルのままで十分と感じていましたので、もう少しアクセルの「ツキ」を良くしつつ、中速域以上での吹け上がりを鋭くするのが今回のモディファイの目的でした。

上記3点を一気にお願いしましたので、正直なところひとつひとつの効果のほどは分かりませんが、少なくともこの「3点セット」は「個人的には効果あり」でした。もちろん、測定してみれば馬力やトルクも向上しながら、その特性もかなり変化していると思います。しかし、公道を走る限り、大事なのはあくまで「体感できる楽しさ」だと思います。

私が実際に体感できたことを素直に表現すれば、あたかもフライホイールが軽量化されたような感じ、というのが近いです。特に2500rpmを越えた辺りからの吹け上がりはまるで違います。当然、ミッションがキックダウンするタイミングも早くなり、結果的に最高速度までの到達時間は短縮されます。ですから、「軽く回る感じがする」というのは、エンジンとミッションの相乗効果だと思います。とにかく運転が楽しくなったのは間違いありません。妙な表現ですが、パドルシフトを使って軽快に飛ばしたくなるようなクルマになりました。

サウンドの変化も無視できない要素です。しかし、これまた無闇に吠えまくるわけではありません。アイドリングから2500rpmまでのボリュームそのものはほとんどノーマル並みですのでご近所さんも気がつきません。ところが、その上になると言葉通り「抜けのいいサウンド」がかなり楽しめます。とはいえ、それさえ常識的なボリュームです。クルマの中にいる限り、ノーマルで多少気になっていた室内の篭り音が解消されたため、むしろこれまで以上に平和で快適です。そのため私はわざわざ窓を少し開けてサウンドを楽しんでいます。

人によって求める速さは違いますので一概に断定的な評価はできませんが、「暴力的なパワーや爆音までは求めないが、NAらしい健康的なエンジンの吹け上がりや色気のあるサウンドが欲しい」という方には間違いなくおすすめできるモディファイです。
 

3)乗り心地

 

実のところ、今回のモディファイで一番感激したのが乗り心地の良さです。足回りやエンジンについてももちろん大満足ですが、そのデメリットとして乗り心地が悪化するのは多少覚悟すべきだと思っていました。ところが、これだけ車高が下がりブレーキディスクが大型化したにもかかわらず、個人的にはノーマルの時より快適になったとさえ感じます。バタつきもピッチングも皆無で、失ったものは本当にありません。

これまで、BMWやアウディなどのドイツ車を含め、かなりのクルマのサスペンションをいじってきましたが、ブランド問わず、どのサスペンションを選んでも乗り心地の悪化は避けられませんでした。ハンドリング面で明らかに効果はある半面、許容範囲内とはいえ多少の突き上げを感じるビルシュタイン系は私の中ではむしろ「最良」で、「快適性」を謳うブランドの中には逆に危険すぎて飛ばせないほど不安定なシロモノさえありました。また、この500Eと並行して現行(W209型)のメルセデス・ベンツCLKを所有していましたが、サスペンションでこれ以上失敗したくなかったので、走行5万キロまでは完全ノーマルに徹し、その後わざわざ本国仕様の純正スポーツサスペンションをマウントごと一式ドイツから取り寄せて装着しました。これはこれで成功だったと今でも思っています。

ところが、俄か自分でも信じがたいのですが、設計が15年以上新しく、かつ純正のスポーツサスペンションを装着したCLKよりも、この500Eのほうが高速安定性、ハンドリング、快適性の全ての面で明らかに上手です。もちろん、軽量なホイールの効果も相当大きいと思いますが、これだけ大きくなったタイヤサイズと広がったトレッドに対して、以前から装着していたAMGのスタビライザー以外、今回新たに手を加えたのは基本的にスプリングのみであり、あとはシムとキャンバーの調整です。それなのになぜここまで「しっかり、しっとり」が両立できているのか、本当に不思議としか言いようがありません。

 

4)燃費

 

このクルマに燃費を求めてはいけないような気もしますが、通勤を含めて年間25000キロ以上走る私にとっては重要な項目です。

 5月9日の土曜日、友人2人と3人/3台でドライブしました。クルマはこの500Eと現行(W211型)のE350、ゴルフVのツインチャージャーGTです。3台揃って全く同じルートを走りました。

内容は事故渋滞を含む高速道路区間290キロ、郊外の空いたバイパス80キロ、ラッシュを含む市街地60キロといったところです。この500Eはメーター読みで430キロ走行して54リッター消費し、総平均燃費は約8キロでした。ちなみにE350の方はメーター読みで425キロ/51リッターで平均8.3キロ、ゴルフは同じく425キロでしたがガソリンはE350のちょうど半分、26.5リッターで平均16キロ(!)でした。終始雨が降っていたこともあり、曇り取りのためにもエアコンはほぼ入れっぱなし、特にエコランは意識せず、というのも3台とも同じです。

まず、E350との比較です。両者とも飛ばせる場面ではかなり飛ばしましたが、私より遥かに腕の立つ友人が運転するE350は(リミッターが利くまでの範囲では)ほぼ互角についてきました。E350も速いなあ、と感心した一方で、思ったほど燃費に差が出なかったのは意外でした。この点に関してはE350が悪いというより、500Eが望外にいいというべきだと思います。私も友人も500Eは「リッター6キロ台=65リッターは間違いなく食う」と予想していましたので、ガソリンのポンプが53リッターを越えたところで止まった時には驚きました。コンピューター交換による燃費の影響は「マイナス0.5キロ程度」だと事前に伺ってはいましたが、現実的には今のところほとんど看取できませんし、不具合箇所も一切ありません。

500EE350には15年の差がありますが、その間の技術進歩により絶対性能としては昔の5リッターV8の性能を3.5リッターV6で出せるようになったと素直に解釈すべきだと思います。もちろん故障の確率はE350の方が断然低いと思いますが、これはクルマの完成度の差ではなく、15年という年月による経年劣化の影響が大部分です。いくら500Eの品質が「オーバークオリティ」だと言われても、当時の樹脂類やシールの質が今でも新品同様ということはあり得ません。逆に言えば、そのような点に注意して付き合いさえすれば、現代のクルマの環境性能に対してもいたずらに罪悪感を持つ必要はなく、実用に耐えるだけの信頼性もあるということです。

私がCLKを手放してこの500Eを常用することにしたのは、現代のベンツには求め得ない圧倒的な存在感や独特の楽しさに惚れ込んだとともに、匹敵するだけの信頼性を持ち合わせているからです。

 

蛇足ですが、舌を巻いたのがゴルフの性能です。噂には聞いていましたが、1400ccにもかかわらず高速だと平気で「大台キープ」できますし、空いたバイパスのようなシチュエーションでは今回の3台の中で間違いなくいちばん元気です。それでこの驚異的な燃費です。文句のつけようがありません。

もうひとつ付け加えると、E350の新車価格(実質価格)は、この500EとゴルフVの合計価格とほぼ同じです。税金や(特に都心では)駐車場などの問題はありますが、E350を買うくらいなら様々な面で両極端なこの2台を買ったほうが数倍楽しいと思いますし、自動車に対する認識も大きく広がると思います。それぞれが違った楽しさや速さを持ち合わせつつ、通勤用には燃費に優れたゴルフを使い、週末にこの500Eを楽しむというのは自分の中でかなり理想的な組合せです。

 

以上、非常に長くなりましたが、感想文をお送りいたします。

お客様の生のお声が聞けると言うのは本当に有難い事です!
お忙しい中、本当に有難うございました。

 

 

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