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2016年09月28日

 

Mercedes-Benz W124 1995y E500-LIMITED 009 sapphire black

W124-500E・E500の最終モデルとして世界限定500台(実際には500台と少しの数)が
作られた、E500-LIMITED。
こちらのLIMITEDは走行距離まだなんと、2万km台の奇跡の様な1台。

それでも、悲しい事につい先日まではボディ全体に塗装のクリア割れが
発生し、とても2万kmには見えない状態でした。

しかし、ご覧下さい。元色である009サファイアブラックに、少し黒を加え暗めのトーンとしSTANDOXにて全塗装を終えた、光り輝くボディで見事復活!

W124の生まれた90年代と比べると、塗料の進化は凄まじく、ダークカラーのボディ色で
特に気になります、洗車傷などほとんど付かない程傷に強くなり、お手入れも楽々です。
また、現代の塗料ならではの耐久性にも大いに期待出来ます。


世界中の数々の名車を新旧問わず乗り継いで来られた、
こちらのE500-LIMITEDオーナーM.A様とは改めまして数えさせて頂きましたところ
早い物で十五年来のお付合いを頂いており、この場を借りて心より厚く御礼申し上げます。


実は、全塗装は前回の御入庫時のお話で、
今回は全塗装と車検の際に気になった、足回りを中心とした
乗り味と信頼性確保の為の整備の総仕上げ、という事でお預かりさせて頂きました。


S600 typeフロントグリルインナー部とヘッドライトワイパーはボディ同色仕上げ。
白く内部メッキ部が腐食進行していたヘッドライトは今回、ドイツHella社製-OEMに新調。
同じくMade in germanyのHellaホワイトコーナーレンズもセットで純正の半額以下とお得です。
塗装がビカビカでもライトが曇っていては恰好が付きません。


E500、スターマークともにエンブレム純正新品交換。後期500のHellaテールレンズはスモーク部分の左右差が気に要らず色の揃う、手持ちの部品に交換。ライセンスプレートの右上には目立たぬ様に極小バックカメラをセットしています。


フロントウィンドからの日差しにより、LIMITED独特のフロントシートGrayグラデーション部が
白く劣化進行していたのですが、今回、往年のRECAROの中でも希少となってまいりました
往年のRECARO最上級モデル、CSEを装着!
レザーは柔らかな感触で抜群の座り心地が実現出来る、最高級のセミアニリンレザーを使用。

Gray ・Red ・Green が標準色のLIMITEDの内装ですが、こちらはJ AUTO得意のBlueグラデーション仕上げで作製させて頂きました。


RECARO純正のシートベースフレームでは金属フレームがむき出しになってしまいますが、
J AUTOオリジナルのベースフレームではこんなサイドカバーが付き、純正風に装着可能。
どちらかというと当時のAMG純正RECAROベースフレームの進化版をイメージして作りました。
RECARO純正やAMGと比べ、ダントツでローポジション可能になります。


リアシートとドアパネル4枚も元々のGrayグラデーションから今回Blueにチェンジ。
LIMITEDだけのソフトなレザー表皮の風合いを、いかに生かしたままの仕上げるかが腕の見せ所です。このクルマは元々、リアシートとドア内張りの状態はすこぶる良かっただけに仕上げには気を遣いましたが、柔らかさと風合い共に満足行く出来上がり。


垂れ下がった純正ルーフライナーは紺色のALCANTARA(アルカンタラ)に、
ルーフグラブハンドルも抜かり無く張替。これで未来永劫、天井が垂れてくる事は無くなります。

ルーフ前後方向の両サイドにはダブルステッチを入れ、
ALCANTARA素材と相まってW124の内装の高級感が一気に上がります。


今回、足回りは500純正でフル交換。

内容としては、前後全アーム・ブッシュ・マウント・前後ホイールベアリング、前後ショックアブソーバ(リアのみSACHS-OEM)、ドライブシャフトオーバーホール、デフケースの分解清掃・リアカバーのリシール組付や、デフフランジサイドシール、デフピニオンギアシャフトシール、デフ前後マウント、リア サスペンション メンバー前後マウント交換。
プロペラシャフト 前後ディスクジョイント、プロペラシャフト センターベアリング&サポートマウント交換。
エンジン・ATマウント、各油脂・燃料・冷却水・ブレーキの各ホース、油脂類の交換など多岐に渡ります。

アルミホイールは以前、限定生産させて頂いた鍛造J AUTOオリジナル、
made in JAPANの鍛栄舎社製、Euro-Five Evo18インチ(前後9.25J-ET26)を
目一杯明る目のハイパーブラックペイント仕上げ。

想像してみて下さい。2万kmのボディに、足回り一気にフル交換のW124-500の乗り味。
2016年の今、もぎたての果実の様にフレッシュなこんなE500-LIMITEDを一度味わえば、
余りの素晴らしさに悶絶します。他のクルマには乗れない体になってしまいますね。

実はオーナーM.A様は、歴代W124-500Eは同時期に'92、'93年と
AMG E60-LIMITEDまで複数台御所有になられていた事が有るほどの
500Eフリークであられ、そのどれもが素晴らしい状態でお使い頂きながら絞り込み、
最終的な相棒として、このLIMITEDをお選びになられておられます。
(このE500-LIMITEDは10年程前に1.3万km時にご購入頂いており、少し前まで
オーナー様の足として御利用頂きながら、調子も悪くないとの事で手近なGSの1日車検で
お済ませ頂いていました。今回お預かりのクルマの状態を見ると、やはり安全の為に
整備御入庫を強くお薦めしなかった事を反省しています。
今更ながらに500E・E500は、一年に一回は点検をお受け頂いていた方が良いです。
その方が整備のツケは溜まりません。)

500E・E500の足回りフル交換という整備を、数え切れぬほど
お任せて頂いておりながらも、毎回、劇的なその変化には感動させられます。
ツケを溜めない方が、と言っておきながら、消耗品を溜めこんで一気に交換し、
一気に良くなったこのクルマに触れると、こういうのも悪くないなと考えてしまいます。

PORSCHEのエンジニア達が目指した500E・E500の走りはコレだったのだ!
と、思わず叫びたくなるような衝動に駆られながら、J AUTOメカが仕上げた
入魂の500の感触に酔いしれ回送走行をさせて頂きます。


良い状態でW124-500E・E500をお使い頂けている限り、オーナーは満足感しか有りません。
全方位死角無し、完成されたW124のパッケージングは使う程に良く出来ていると痛感出来、
リニアな感触で、正にドライバーの意のままに動くエンジン、足回り、ボディの感触。

この魅力はPORSCHEのお蔭なのか、
それとも、Mercedes-BenzとPORSCHEが、互いのプライドを掛け、
「もっと良い自動車が作れる!」と、切磋琢磨し合いそれが功を奏したのか。

高級車と呼ばれるクルマは過去から現在まで沢山有りますが、
'90年最初の一台から'95年の最後の一台まで、全て
Mercedes-BenzファクトリーからPORSCHEファクトリーを
往復して組み上げられたMercedes-Benz車は、後にも先にも有りません。

果たして500Eは、PORSCHEとMercedes-Benzが互いの認め合いプライドを懸け、
両メーカーの手によって期間限定で本気で作り込まれた、究極の実用自動車なのか?


このE500-LIMITEDがその答えを今、見せてくれているのか?と、
J AUTOファクトリーからの回送中に烏滸がましくも、少し感じ取れた気がしました。

タウンスピードでも分かる、ステアリングやシートを通して伝わる滑らかな感触。
それでいて少しのガタも狂いも感じさせず、精度高くシャープに研ぎ澄まされた手応えを
絹の様に優しくソフトに伝えてくる、このLIMITED。

余りの気持ち良さに、もう少し走らせたい、高速で一発かましてみたい!
などという欲求が溢れ出る中、遠回りせずに回送を終えました。
2万km台のこの奇跡のLIMITEDを、まさか少しでも擦り減らすのは
私にとって罪深き行為の様に感じてしまい、出来ませんでした。

この素晴らしいLIMITEDの状態はオーナーM.A様の楽しみに、
1kmでも1分1秒でも多く、味わって貰うべき。と、考えさせられた最近の1台です。



        Special Thanks! 
           E500-LIMITED 1995 Owner Mr.M.A













 

 

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